EKAKINOKI

正しくはモルドヴァとベラルーシ

『ソ連言語政策史再考(北大スラブ研究センター)』からちょっと要約。
http://src-h.slav.hokudai.ac.jp/publictn/46/s..

現モルドヴァ共和国がロシアから独立したさいに(1991年ごろ)、国名を「モルダヴィア」から「モルドヴァ」に変更した。ところが、『モルドヴァ』は現地語ではつねに「モルドヴァ」と呼ばれていた!だから正確に言うと、国名は変わってないってことになる。つまり国際的な名称を「ロシア式モルダヴィア」から「現地語モルドヴァ」にした。ではロシア帝政期などの「歴史的モルドヴァ」に言及するときはどうするのか?これには従来通り「モルダヴィア」を用いる。ソヴィエト時代の「モルドヴァ」はどう呼ぶか、これはまだはっきりしていない。

(要約おわり)

結論: モルドヴァ!

似たもの同士のふざけた例

ソ連の国家権力が言葉や呼称を変えてしまった例は枚挙にいとまない。そしてそれが今、また元に戻っている。レーニングラードは元のサンクト・ペテルブルグ、パスポートの「鎌(かま)」はロマノフ王朝の双頭の鷲、、、おつかれさん!

これに関してはおもしろい例がある・・・

ふつうロシア語では国家名の前にくる前置詞は「B (英語の「in Japan」の「in」)」。ところがウクライナは慣用的に「HA」。「HA」というのはふつう「島」とかの前にくる前置詞。たとえば日本は「B JAPAN」のはずなのに「島」だから「HA JAPAN」とか言ったらちょっとカチンとくる。「日本は島じゃなくて国なんだよ〜」

ウクライナの場合は「オレッチのシマだから」というわけで「HA」にしているのではなく、むしろ言語史にずっとそうだった。ところがウクライナが独立国家になって、今日から「B」にするといってもたぶん響き的にヘンなかんじなんだとおもう。じっさいTVなんかではおおむね「HA」で言うひとが多いとおもった。

さて、「モルダヴィアとモルドヴァ」に相当するもうひとつの例が「ベラルシアとベラルーシ」。シャガールのベラルーシ。記憶に間違いがなければ、いまでもロシアのTVでは「ベラルシア」のほうを使っているとおもう。これもモルドヴァとおなじような理由で現在は「ベラルーシ」になっている。

結論: ベラルーシ!

(2002.07.09.)(2002.07.18. 加筆)

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