EKAKINOKI

ラスプーチン

おまえらにロシアの子が殺せるか!

ラスプーチン・・・・・いいヤツかわるいヤツかといったら、フツウだったんじゃない?コンプレックスもあれば(ラスプーチンははじめ字が書けなかった。)、厳しい人生を生き延びなければならなかったロシア農民のずる賢さだってあったろう。

ラスプーチンは酒と女を愛した?しかしそんなの、どこにでもあるハナシだゼ。ラスプーチンがほかの男よりやりたい放題できたって、それだけのことじゃん。

いっぽうで、ラスプーチンは「カネ」というのはあまり受けとっていない。農民(ロシアの子)であることを自負していたし、農民君主制を夢見ていた。徹底して戦争反対。「立憲制支持」を議会で宣言をするように皇帝を説得。ニコライ2世は、専制政治の放棄とじぶんの死というトラウマから、土壇場で宣言することを躊躇したけど、、

へぇ〜、、なかなかやるじゃん!ラスプーチンの秘書役をしていたユダヤ人・シマノウィッチが、ロマノフ王朝秘史を書いている。そのなかで、ラスプーチンが農業について語っているくだりは興味深い。以下、ア・シマノウィッチ著『ユダヤ人とラスプーチン(新人物往来社/1987年)』より引用・・・

ラスプーチンは、政府がシベリアに鉄道を建設しないと言って嘆いていた。・・・「それは鉄道や道路を恐れているからだ。鉄道が農民に有害だと怖れている。・・・農民が甘えすぎて、銭や土地の分与を欲しがるようになりゃしないかと怖れているんだ。」・・・

「こんなことをしていれば革命になる。これは皆愚の骨頂だ。貴族階級はあまりにも多くのものを持ち過ぎている。貴族階級は自分では何もしないが、人のことは邪魔をする。教養ある人が出てくると、あいつは革命家で謀反人だとわめく。そして何だかんだと言って彼を牢屋にぶちこむ。農民には教育を与えない。こんな支配政治は良い結果をもたらすはずがない。」・・・

「農民解放のやり方は間違っている。」・・・「農奴時代の農民のほうがましな暮しをしていた。彼らは自給自足し、必要な衣服は得ていた。今では農民は何も得るものはなく、その上税金を払わなければならない。農民の最後の家畜も差し押さえられ、競売される。農民の子供は十歳まではだしで走り回っている。・・・農民には土地が不足している。・・・」

修道院の土地や公有地は、土地のない農民、第一に出征している農民に分与すべきだ。地主の私有地も同じように没収して、農民に分与すべきだ。没収した土地代を地主に支払うために巨額の外債を募あいいというのが彼の意見であった。

(引用おわり)

Photo coutesy of Бродячая Камера

写真はラスプーチンが殺されたユスーポフ宮。豪華絢爛な内部はこちら↓
http://www.enlight.ru/camera/332/index.html

ラスプーチンは、その超人的な才能ゆえに愛され、恐れられ、イカサマっぽいとうとまれた。けど、、モンダイはつねに・・・「だれのために、どのように、その超人的才能をつかうか」だ。

たしかに、王朝末期でなにもかもがうまくいかないときに、じぶんらの非をかんがえるよりは、だれかに責任を転嫁したほうが安易だったかもしれない・・・

でも、フツウとはかわってたからとか、宮廷じゅうの女に手をだしたとか、それだけで偏見をもつのは、あんましフェアじゃないよ。言ってたことは、かなり正気だったし、、、

ラスプーチンはけっきょく皇族側のニンゲンに殺されるのだけれど、、その最期はすさまじい。

銃弾を8発打ち込まれて、それで車で運ばれる途中、手に結ばれていた縄をほどき、12月の厳寒のさなか、橋から川に投げ込まれると、、それでも水のなかから這い上がって、氷の上を歩いたらしい、、、

けっきょく寒さで死んじゃうんだけど、、コイツ死なないんじゃないかっていうぐらい超人的。「おまえらにロシアの子(農民)が殺せるか!」とどついたというラスプーチン・・・

ラスプーチンが殺されて数週間・・・・・ロマノフ王朝もまた消滅した。

(2004.11.27. 見回り)

※ ロシアでの農奴制は、ラスプーチンが生まれるすこし前になくなっている。ロシアにおける農奴は文字通り「奴隷」で、しかもかれらはどこか遠くから連れてこられたのではなくロシア人自身だった。つい最近まで奴隷制があったという事実は、ロシアの文化におおきな影響を与えている、と指摘するロシア人はすくなくない。

※ ラスプーチンが殺害されたのは1916年12月16−17日にかけての深夜。

※ ラスプーチンは「ノーヴィフ(Новых)」という別の名前を皇帝から授かっていた。

かんれんサイト

ラスプーチンの写真(ラスプーチンのさいごとかも)+記事(ロシア語)
http://sovsekretno.ru/2000/11/9.html
(Совершенно Секретно)

ラスプーチン暗殺にかかわったユスーポフ公爵回想録:1952年初版(英語)
http://www.alexanderpalace.org/lostsplendor/xv.html

かんれんファイル

■ ニコライとアレクサンドラ(映画)
■ ロマノフ王朝展

BOOK

「実録ラスプーチン(Rasputin/Brian Moynahan/1997)」(白須英子訳/草思社)

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