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シーはキャベツのスープ?

ロシア料理の代表的スープには「シー(シチー)」と「ボルシチ」と「ウハー」があるのですが、なが〜いあいだひとつの疑問がありました。

ロシア語でいう「シー」とはいったいなんなのだろう。一般的にはキャベツのスープなどといわれる。ところがじっさいに「シー」としてでてくるスープにはいろんな具が入っている。キャベツがメインだなんてあまりおもえない、ごくふつうのスープであることが多い。それで、食すれば食するほど「シー」というスープのアイデンティティーが分からなくなってきてしまう。

ロシア料理

「ウハー」は魚のスープだからはっきりしている。魚がはいってりゃ「ウハー」だ。日本でも比較的名前が知られている「ボルシチ(ルーツはウクライナ料理)」はまっかっかのスープだから、当然ビーツのスープだとおもっていた。ところが、ここにもキャベツが入っていたりする。「ボルシチ」にキャベツが入っていることをべつに批難するつもりはない。ただ、そのために余計「シー」の正体が曖昧になってくる。

しかも、「シー」も「ボルシチ」も野菜のスープだとばかりおもっていたら、ベースには肉からとったブイヨン(だし)をかならずつかっている。「シー」には、キャベツのほかに、ニンジンやジャガイモ、炒めたタマネギ、その他シャーベリ(すっぱ味がある)やらの葉ものが入っていたりする。なにがしかの肉まで入っている!キャベツにしても、なまのキャベツで作った「すっきりシー」と、醗酵させたキャベツを入れた「すっぱいシー」がある。

ロシア料理

すくなくとも「シー」も「ボルシチ」も、ピュアーな意味で「野菜のスープ」ではない。「シー」も「ボルシチ」もロシア料理には欠かせないメニューだから、ここはひとつ一言で説明してほしい。ところがあらためて聞いてみると、だれもが「こうでしょうー、ああでしょうー。」と説明が長くなる。

「これがシーで、これがボルシチなんだ。」と明瞭に説明をされたおぼえがない。なにかおふくろの味みたいなもので、漠然としたイメージみたいなもので決めちゃってるんじゃないか・・。典型的な「シー」のタイプがいくつかあって、それが全体としてロシア人の頭のなかに「シー」としてインプットされているのかもしれない。

仕方ないから、話を総合してじぶんなりに定義してみる。キャベツがメインなら「シー」、ビーツがメインなら「ボルシチ」。これでもわるかない・・。でも、キャベツをメインに「シー」が作られていたとしても、肉と葉もののあいだにニンジンとジャガイモがピコピコ浮いていたら、キャベツがメインだなんて分からない。そこで究極の定義をおもいついた。

魚が入っていたら「ウハー」、まっかなら「ボルシチ」、それ以外は「シー」。どうだ!

(2002.01.26.)

※ ファイル中の画像は、上からシャーベリのシー、キャベツのシー。ふつうはここにスミェターナ(生クリームのようなもの)を入れて食べる。

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