EKAKINOKI

ロシア郷土料理・ザリガニ

ザリガニあるとき知り合いが「ロシアでザリガニ(まちがってもオマールとかではないよ)を食べたことがある?」「ない、とおもう。」「じゃ料理するから買いに行こう。」夕暮れどきで、すでにあたりは薄暗くなりはじめていました。

バスや車がガンガン走っている通りの、ひとびとがせわしく行き交う歩道の、薄汚れた建物に背をもたれて、ひとりのおばさんが地べたにポツンとすわっていました。まわりにモノを売っているひとなんてだれもいません。おばさんとよごれた歩道と区別がつかないようなかんじでした。

そのおばさんの前に置かれた箱に、なにやら黒ずんだあやしげなものが山盛りになっていて、なんかジャリジャリとうごめいています。ん、、これが、ザリガニか・・。生活に窮してそこらで取ってきたんじゃないよね?瞬時にどういう状況にじぶんが置かれているのかを悟りました。

そのおばさんとやりとりをしている知り合いに、おもいあまって問い詰めました。「いったいこのザリガニたちはどこで生きていたのか?」「ほんとうに食べてダイジョブなのか?」

知り合い・・・「ザリガニは、きれいな水でないと死んでしまう。」「最近は、工場がほとんど操業していない状態なので、ザリガニたちも復活してきたんだよ。」「くすんだかんじのおばはんやおじさんたちはたんなる売り子で、元売りが彼らに売らせているんだ。だからどこで買ってもおなじさ。」

「こどもの頃遊んだことがある造成地の水たまりにもザリガニいたぞー。」と、反論。「いや流れがないただの水たまりではザリガニは死んでしまうから、どこかで水が湧いていたんだよ。」

「せめて市場(バザール)のようなところで買いたい。」と言うと・・・「出所はおなじ。高い値段で買わされるだけだ。」

流通経路についてはかれらのほうが良く知っているので、それ以上抵抗するのはやめました。ビニール袋のなかでジャリジャリとうごめくザリガニ(ハサミで袋を切って出てこないかヒヤヒヤ)。タクシーに乗り込むと、その知り合いがある映画の話をしてくれました。

アメリカに働きに行ったロシア人が働き口が見つからず、腹を減らして、どこかとんでもないところでザリガニを見つけたんだそうです。狂喜したロシア人は、ザリガニを料理するとそれはそれはおいしそうに食べました。それを知ったアメリカ人が・・・「ううぇ〜〜〜」

とてもおもしろいはなしを、ありがとう!サンキュー!メルシー!せっかく道端で売っているザリガニを食べる覚悟ができていたのに・・・結局、食べそこねてしまいました。

(2002.11.11. Moscow)

※ ザリガニは、1リットルにつき大匙一杯の塩加減。フェンネル、パセリ、ロリエなどをたっぷりと入れて40分程煮る。ザリガニを引き立てるのは、ロシアではソースではなくビール!

※ ファイル中の画像はムーヒン作:ファイルで触れたザリガニは、こんなにリッパではありませんよー。

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