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100以上あるモスクワの劇場が減らないわけ

ロシアには分かったようで分からないことがたくさんある・・・

「何ヶ月におよぶ給料未払い」「それでも働き続ける」「国家公務員の大学教授や医師やエンジニアより新卒のほうが多くの給料をもらう」「スズメの涙ほどの給料なのに毛皮のコート」、、、

そんな数多くの不思議のひとつに「劇場の数の多さ」があります。中途半端な数じゃない。

russian theater

ソ連時代なら分かる。もともと演劇大好きなお国柄だし、「地域に一劇場」という政府の割り当てみたいなのもあったとおもう。コンサートに足を運び、演劇を鑑賞し、夏冬は旅行・・・それは社会主義社会の「配給娯楽」みたいなものでもあった。「今日は▲劇場で●観てくるから」「じゃ帰宅は10時半ごろネ」・・・子供のうちから劇場通いしてるから芝居を知り尽くしている。

でも、いまは社会体制が変わり、もうからないものはどんどん消滅していく。お金がなければ娯楽もままならないが、ぎゃくにお金さえあれば愉しみはわんさとある。ビデオ、車、別荘、海外旅行・・・「ブルジョア〜」なんてだれもイチャモンつけない。

russian theater

だから、政府の庇護があてにできなくなり、そもそも需給関係を無視してつくられたとおもえる数の劇場は、こうした社会の変化にともなって激減してなんら不思議はない。ところが!これだけの数の劇場が、減るどころか増えてさえいるという。

なんなんだ!?

ロシア人がこぞって演劇キチガイじゃなきゃ、アリエナイ!

以下、ニューヨーク・タイムズ(セレスティン・ボーレン 2000/07/25)から引用・・・

モスクワだけで100以上、それ以外にもロシア国内に400の劇場があっていまだに存続している。 Moscow Times のアメリカ人演劇評論家フリードマン:「劇場が激減してしまうような危機状況は何回もありました。でも劇場は減らなかった。演劇なしの人生なんて、ロシア人には考えられません。」 今絶賛を博しているロシア人演出家カマ・ギンカス:「SONYですよ、演劇は。輸出可能な数少ないロシアのブランド商品のひとつです。」 ロシア演劇は、長い社会主義リアリズムの時代を生き延び、自由放任の資本主義となってからも存亡の危機に幾度となくさらされてきた。しかしロシア演劇は崩れ落ちるどころか、さらなる評価をいま受けようとしている。

(引用おわり)

そう言えば、だれかが言ってた・・・「ロシア人は人生を、まるで芝居ででもあるかのように生きる。」つまり、ロシア人にとって「芝居=人生」ってことか。「その区別がつかない民族」と、言えないこともないけど。

(2000.07.25.)(2003.01.26. 見直し)(2006.02.19. 画像追加)(2006.12.07. 見直し)

かんれんファイル

■ ロシアの劇場でオペラ・グラスは秘密兵器

かんれんサイト

オスカー・ワイルド作『幸福な王子』のカマ・ギンカス版について(ロシア・天井桟敷)
http://www.melma.com/mag/24/m000101..

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