EKAKINOKI

ソ連時代の前衛芸術

ソ連時代の社会主義リアリズムがおもに政治的理由によるものだったとしても、そもそも、リアリズムへの強い志向がロシアにあるのもたしかだ。

いっぽうで、ロシアはカンディンスキーやマレーヴィッチなどをも輩出したし、ソ連時代にだって前衛芸術は存在していた。そういう前衛芸術を積極的に集めていたひとのコレクションをみせてもらってびっくりしたことさえある。

ただ公にクローズアップされなかっただけだ。公に活動しないかぎり相手にもされなかったかもしれない。表向きは堅実な仕事をこなしながら、個人的には前衛芸術に専念していたアーティストだってけっこういた。

ひょんなことでそういうのが表に出たのが、フルシチョフ時代のフルドーザー展だ。いま見ればどってことない抽象画だし、参加したアーティストたち自身、たぶん挑発するようなつもりはなかったろう。

ブルドーザー展に参加したバラダチョフのそののちの作品

ブルドーザー展の結末は、亡命してフランスでVIP待遇を受けたひとがいたり、監視の目的であったにせよ前衛芸術家専門の発表の場が与えられたり、いちがいに悪い事件とばかりいうわけでもなかった。

ウズベキスタンにヌクス美術館というのがある。

そこは、当時、運悪くイチャモンをつけられて辺境送りにされたアーティストたちがじっさいに制作をしていた場所であり、いまは、かれらが残した作品の美術館になっている。ポポーヴァ、クドゥリャショフなど・・・かつてニューヨークのMOMAで展示されたことがある。

(2006.08.11.)

かんれんファイル

■ ブルドーザー事件の真相

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