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ロシアはタルコフスキーの【ゾーン】だ!

Russia Lifeタルコフスキーはソヴィエト時代を代表する映画監督のひとりで、ものすごーく哲学的な作品を残しています。『代表する』とは言っても、高い評価を受けたのはおもに国外で、でした。

タルコフスキー作品に『スタルキェル(徘徊者)』というのがあります。えんえん3時間ぐらいにおよぶなが〜い作品で、登場人物はかたときも笑いません。内容をかいつまんで説明すると・・・

あるとき、ロシアの平原に宇宙から未確認物体が落ちました。するとその一帯は不思議な力の支配する特殊な【ゾーン】となり、さらにそこにある、ある特定の建物のなかに入ると、『願いごと』がことごとくかなってしまうのです。

しかし【ゾーン】には地球外の法則が支配していて、ニンゲンがそこを徘徊すると精神的肉体的苦痛がともないます。アンチョクには出入りできない、というわけです。コトの異常さを察知した政府もこの一帯を『厳重立ち入り禁止』にしました。

『スタルキェル』と呼ばれるのは、この【ゾーン】の不思議な法則に精通したガイドたちです。彼等が『願いごと』をかなえようという人々をそこに導き続けます。『スタルキェル』自身は、けっして建物の中にまで入ろうとはしません。ひとびとが建物のなかに入って『願いごと』をかなえる手引きをするだけです。

【ゾーン】のもつ力を利用してすぐにも夢をかなえてしまいたいと願うひと。【ゾーン】まで行ったのに、考え直してまた元の世界に戻って来たひと。『スタルキェル』のように繰り返し【ゾーン】をおとずれ、しかし『願いごと』をかなえてしまおうとはせず、なにかを確かめようとしているひと。

・・・なぜなぜ?それがこの映画でタルコフスキーが表現しようとしている『哲学的な問いかけ』です。(←映画をみてね。)

あるときロシア人の知人が、この映画を引き合いにだして「ロシアは【ゾーン】なんだよ・・。」と言いました。言葉の調子までが【ゾ 〜 〜 〜 ン】だったのです。

つまりロシアは、アメリカとかほかの世界の『尺度』では理解することができない別世界なんだー。ん?するってえと・・(!)豊かな先進国からロシアという【ゾーン】に通う人達は『スタルキェル』ではありませんか!言えてる・・。なにげない一言だったかもしれませんが、強烈でした。

(2001.09.14.)(2002.08.25. 見直し)(2003.01.30. 点検)

※ 『ロシアについて(司馬遼太郎著/文芸春秋)』:司馬遼太郎氏が、この本のなかで「ロシアは最後の外国です」というようなことを書いておられるのですが、これも・・【ゾーン】というのと・・どこか似ています。

※ ファイル中の画像はグリツァイの作品

かんれんファイル

■ タルコフスキー
■ シベリアに落ちた『火の玉』:  謎の爆発、というのはじっさいにあった話です。

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