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シベリアに落ちた『火の玉』

タルコフスキーの『スタルキェル(徘徊者)』という映画では、『シベリアに謎の物体が落下し・・そのあたり一帯には、地球外の物理法則が支配している。』というストーリーが展開しています。ところで、この『謎の爆発』というのは、ロシアでじっさいにあった話なのです。

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1908年6月30日午前7時40分(現地時間)、シベリア中央部に正体不明の大爆発が起きました。なぜ正体不明かというと、隕石か彗星ならあるはずの『クレーター』が、落下現場にはないのです(!)。

場所はバイカル湖北端から北西の200 km 、エニセイ川支流ポドカメンナヤ・ツングース川近く(N-60°55/E-101°57)。被害は2000平方 km にわたり、半径15 km は木炭化、半径20 km までが焼け焦げました。

800 km も離れた場所からこの爆発は目撃され、ヨーロッパの地震計もこのことを記録しています。ロシア、ヨーロッパではしばらくのあいだ夜空が明るかったといいます。

科学者による調査がはじめて入ったのが、それからほぼ20年後の1927年。なんで?!

日露戦争が1904〜05年。この1905年には『血の日曜日事件』を契機にロシアで第一次革命が起こっています。ロマノフ王朝はまさにあっぷあっぷの瀕死状態でした。そして第一次世界大戦、1917年にはロシア革命が勃発、ソヴィエト政権が成立、以後数年にわたって内戦が繰り広げられます・・・。

シベリアに落ちた『火の玉』どころではなかったでしょう。1927年にはじまった調査は、1930年まで続けられました。また1900年代後半の調査で、泥炭層から濃密度のイリジウムが検出され、地球外物質(おそらく隕石か彗星か・・)の落下にまちがいないだろうとされています。

それでも、正確なところは今にいたるまで不明のままです。

(2002.08.25.)

かんれんファイル

■ タルコフスキー:『スタルキェル(徘徊者)』という映画では、この『謎の爆発』とおなじような内容のストーリーが展開します。
■ ロシアはタルコフスキーの【ゾーン】だ!

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