EKAKINOKI

ミサに行き合わせて

地方の教会の飾り気のない扉を押します。おっミサの最中。ロウソクに照らし出された聖堂内には、祭壇に向かって十数人のひとたちが立ちつくしていました。慎ましくそろりとうしろへ。それほど大きな教会ではないので、円天井や壁にびっしりとえがかれたイコンが、ロウソクの明かりでもかなりはっきりと見えます。イコンに見とれていると、「左のほうにすこしよけて」みたいに身振りで指示されました。

Saratov Saratov

すると、とつぜんどこからか司祭があらわれて、居合わせたひとたちはいっせいに拝礼して十字を切ります。司祭は鈴つきの鎖(たぶん御清めのお香)を左右に振らしながらゆったりと歩きます。司祭が通り過ぎるたびに、ひとびとは道をあけ、拝礼し、十字を切り。司祭が祭壇に入ると、女声コーラスがはじまりました。司祭自身もときおり声を合わせます。なかなか魅力的な声です。

ショールで髪を覆った女性たち。女性とは反対に、かぶりものをとって、ひょろ〜と立ち尽くしているおとこたち。みんな外套ははおったままです。(教会に入るときは十字架を身につけるとか、生理のときは教会に入ってはいけないとか、いろいろな約束ゴトがあります。)

ロシア正教会でのミサにはなんべんも会っていますが、このときのミサは、大聖堂などでのミサとはどことなく違って感じられました。地方の教会で、純朴なひとたちの神を敬う気持ちが伝わってきたからでしょうか?ミサをする側と受ける側の気持ちが一体になっているようで、妙に心に響きました。

きっと、百年前、二百年前のロシアのミサもこんなふうだったのかもしれませんね。

(2002.11.09. Moscow)(2004.12.11. 見回り)

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