EKAKINOKI

全暖房のワナ

ロシアの暖房ロシアでは、町じゅうの建物全部がいっせいに暖房される「全暖房システム」が基本。辺鄙な村はべつにして、町じゅうの建物のなかはミニスカートにブラウスで闊歩できるほど、いつも暖かい。ロシアのほうが、日本より冬暖かく過ごせるという逆説が成り立つゆえんだ。それで、いいことづくめなのかというと、ちょっとちがう。

「全暖房システム」というのは町が一括してコントロールしている。町全体にはりめぐらされた暖房システムを動かすためのセンターが、モスクワのような大きな町では何ケ所かにある。遠くから見るといつも煙を吐いているヤツだ。エネルギーはガスだという。町の「全暖房システム」をオンにするかオフにするかのスイッチはここにある。すこし肌寒くなってくると、ロシアのバーブシカ(おばあちゃん)はスカーフを頭にほっかぶりして、「今日だ、明日だ。」と毎日のようにつぶやいているのはそのためだ。

モスクワのような重要都市では、あまり常識はずれのことは起こらない。ところが、極東地方ではこの「全暖房システム」を切ってしまった。「金がないから」というのが理由だ。「資本主義になったのだから、採算のとれないものはやめていい。」「経営をすべからく見直して、それに見合う額を住民に納めてもらえばうごかせる。」「巨大産業なのだから、そのうち外国企業の資本投資があるにちがいない。」

しかし、暖房を切ってしまえば家のなかにツララがたれる。ロシアで暖房は、好きなひとだけが吸うタバコとはちがう。生死にかかわる問題だ。こうした社会の基盤となる巨大な産業が、ロシアではごく一部の資本家の手に握られてい。そういうきわめて原始的な資本主義が、いまのロシアでは横行している。

このほかにも、死にはいたらないが、不便このうえないことがある。「全暖房システム」と同様、「温水」も町のコントロール下にある。これも、「金がない。」、「一部の住民の延滞金がある。」という理由で切ってしまう町があったりする。温水のない状態が数カ月、数年におよぶと、これは相当のストレスだ。そして、こういうケースは全暖房ナシ事件より、もっと頻繁にある。

「モスクワとか、サンクト・ペテルブルグはだいじょうぶなんでしょう?」

ロシアの暖房

とんでもない!モスクワでもサンクト・ペテルブルグでも、「毎年一ヶ月間ぐらい!」まったくおなじことが起こる。いまの日本で、一ヶ月間温水がない状態を想像できるだろうか?

これは、「全暖房システム」を切ったあとの5月〜9月に起こる。「正確にいつ」というのは分からない。この地区はいつも6月ぐらいとか、だいたいの見当があるだけで、具体的には直前に通告される。「かならずアル」というのが最低限の予告になっていると言えなくもない。

原則的には3週間。鉄管やモーターなどの諸施設の点検・修理という名目だ。ほんとうにどのくらい点検・修理をしているのかは、さだかではない。「ずっとなにもしないで、最後のころになると土を掘り起こしている。」なんて証言もある。「一週間ぐらいに短縮できるのではないか・・・」というひともいる。しかも、住民への課金だけは続けられる。

モスクワやサンクト・ペテルブルグでほんとうの夏というのは、7月を中心にした一ヶ月間ぐらい。ロシア人がバカンスをとるのも、どちらかというと8月よりも7月だ。それ以外の時期は、かならずしも暖かいとはいえない。冷水シャワーでもよろこんで浴びるというひとは、あまりいない。

この「温水なし状態」を回避するには、個人的に湯沸かし器を取り付けなくてはならない。しかしガスがきているとはかならずしもかぎらない。電気だけですべてをまかなっているところもある。そういうところは電気湯沸かし器。ゴージャスなシャワー・タイムはちょっとムリだけど、容器に入っている分だけの水は温めてくれる。

じっさいに、、一般のアパートで、これらの湯沸かし器をみることはめったにない。ぎゃくに言えば、これさえあれば、ものすごくリッチ〜〜!

(2001.09.28.)(2004.12.08. 見回り)

かんれんファイル

■ ロシアは寒いか?
■ ジャラー(炎暑) 

BBSより

マスクさん (2003.06.20.)

ウラジオストックは一応熱湯も電気も通ってますよ。 ただ、熱湯の方は・・・ここ最近まで1カ月間ほど止まってました(^^; もはや、お湯の蛇口をひねらなくなってましたよ。(つまり、もうお湯が出るということはアキラメてたということ) 一年に一回は1カ月ほど止まるんですよね。困ったもんだ。 電気は大丈夫です。でも、聞いた話によると、以前、ウラジオストックが電気代払えなくて、トランヴァーイが止まってたらしいですよ。とほほ。もしかしたら、ナホトカのほうだと熱湯の使用時間に制限があるかも しれましぇーん。

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