EKAKINOKI

ウクライナ人気質かも・・

ワシーリー・ユルチク

ユルチクのアトリエにはすでに冬景色が何点かならんでいました。まずそれらの作品をたのしむと、秋景色、静物・・・それで「夏景色はいい?」とユルチクがたずねます。「・・・んんん、いいかな、、」

いっぺんにたくさんの作品を見るのはけっこうつかれます。あまり欲張っても消化しきれない、肉体的な限界みたいのがあります。いい作品であるほど集中するのでそうなります。それとロシア人が描く「夏景色」というのはなんとなく想像できちゃう。

ところが何気なくユルチクがみせた「夏景色」・・・エモーショナルであたたかみがあって、んん、、こんなのはみたことないぞ。。ちょっと胸がたかまる。

ユルチクはウクライナ生まれです。ロシアから南に下ってウクライナに入ると、ぐっと南欧的な雰囲気につつまれる。建物からしてそう。しかし「南欧」といっても具体的に「イタリアのような」とか「ギリシャのような」とか言うのではなく、「ロシアとギリシャを掛け合わせたら、こんな風なんじゃないかな」みたいな、、どこか優しくて、おおらかで、モダーンなかんじ。

ウクライナは、気候にも土壌にも恵まれています。中世には、ヨーロッパの小麦のかなりの量がウクライナから供給されていましたし、歴史的に、ヨーロッパの一大穀倉地帯です。。あるいは今日のロシアの砂糖はウクライナからのものです。

そういうウクライナ地方出身の画家は、ロシア人画家よりも一般的に色彩の変化に富んでいる。作品の表情により「華(はな)」があるのです。「ぼくはずっと北の風景を描きたかった」と言うユルチクの作品にも、たしかにそういうところがあります。

ロシアで風景画家は、野山に出勤するひとつの「職業」です。それにしてもユルチクは精力的。とても1924年生まれにはみえません。

保養所に行くと皆よりも10分早く朝食をたのみ、野山にすっとんでお昼に戻り、昼食も皆より10分はやくすませ、また野山にすっとんで日暮れまで制作をつづける。そればかりじゃない。冬場はスキー、夏場はランニングを欠かさず朝一時間・・・零下28度だろうがなんだろうがおかまいなし。

「どんな凡人でも努力すればそこそこのことはできます。でも、なにかひとつのことに集中しなきゃだめだ。」・・・こんなことをユルチクが言っていました。

ユルチクのファイル

■ 軍人が画家になるまで
□ ウクライナ人気質

ART INVESTMENT AGENT JAPAN RUSSIA SOVIET ITALY