EKAKINOKI

どってことないよ、ソ連時代の検閲

ボリス・イオナイティス

イオナイティスの祖父は、ロシア革命時、皇帝側白軍に組していてシベリアから中国・東北地方に逃れた。1944年、イオナイティスは中国東北地方ハルビンで生まれる。1950年代、フルシチョフの自由化路線とともに中ソ関係が悪化、中国では外国人に対する迫害が強まり、1955年、ボリス少年は一家ともどもロシアに戻った。さらに、イオナイティス家はリトヴィアの出身ときている。ふふ、、リトヴィアとロシア、ロシア革命、中ソ関係・・・イオナイティスの人生にはロシアの歴史がそのまま映し出されている。

そんなイオナイティスが描いていたのは抽象絵画だから、ここでもまたソ連政府と歴史的すったもんだがあったかとおもいきや、あんがいそうでもないらしい。町に新しい橋ができれば、画家たちは「社会主義の偉業」を描きにでかけ責務をまっとうする。そんなソ連時代、抽象表現はフルシチョフが言ったように「ロバのしっぽ」だった。

でもイオナイティスはじぶんが描きたいようにしか描かなかった。検閲官がやってきて、冷蔵庫の中まで見て文句をつけたという。「いまとなっては笑い話だよ。」イオナイティスはサラッとながすが、イヤなおもいはたくさんしたろう。

「そんなことはない。ボクは本の挿し絵で食ってたから。なにもわざわざ権力にたてついて問題起こすこともないだろう。」な〜るほど、、、外部のニンゲンが勝手に想像するよりも、渦中の人間はけっこう平衡感覚をもって生きているのかもしれない。

イオナイティスかんれんファイル

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