EKAKINOKI

ロシア人の心象風景

ヴァレリー・バシェーニン

おそらくロシア人の心の奥底にはこんな『かたち』がで〜んといすわっているのかな。イコンをも思わせますね。ロシア民話も。

バシェーニン作品を見たあるアメリカ人・・・『あまりにもロシア的・・』だと。もちろんひとそれぞれ文化背景が違いますが、バシェーニン・・・「ロシア的もなにも、、俺にはこれしか描けんもんね。」

いっぽうで、バシェーニン作品を見たあるロシア人・・・「ひじょうに険しくはっきりしたラインはあまりロシア的じゃない。どこかビザンチン的・・」と、言っていました。

ビザンチン!そう言えば、なにか天平時代の仏教絵画のようでもありますね。鎌倉あたりのお寺で展示したら映えるかもしれない。

魚、鳥、家、、バシェーニンがとりあげる題材はひとつひとつ意味をもってます。そしてさらにその組み合わせのうえに、バシェーニンは作品全体としての固有の意味を与える。それをうまく与えられるかどうかが、バシェーニン作品の成功不成功を決めます。

作品は・・・『糖蜜菓子の家』、『シカが大地をけるとそこから金銀宝石が舞い上がる』といった民話をおもわせます。つぎの作品も、どういう意味が込められているのか、おもしろい。

カワカマスはロシア民話にはひんぱんに登場しますね。カワカマスはロシア語で『シューカ』といって、かなり大きい川魚です。なが〜くえぐーい顔をしたやつ。(日本でなんと言うのでしょう?辞書にはカワカマスとある。)

つかまえたカワカマスを食べないで逃がしてあげたうすのろイワンは、助けてあげたカワカマスの魔法でクスンとも笑わなかった王様の娘を笑わせたとか・・。カワカマスを食べた王妃様と、味見をした料理女と、食べ残しをさらった犬がこどもを生んでいて、そのこどもたちが冒険に出て兄弟であることが分かったとか・・。たしかにカワカマスは、民話の素材になるような世間ばなれした顔をしています。

ロシア人の画家も、絵を描くときに日本人の画家と似たような心の葛藤があるかな?ロシア的な世界とヨーロッパの世界・・そのギャップをどういうふうに噛み砕いていくかで、アーティストのスタイルがきまってくる。バシェーニンも最初は抽象画、それも絵の具超ボテボテのヤツを描いてました。

しかしロシア的な主題を通してロシア人以外にここまで語りかけてくる作品というのは、ありそうであんまりナイ。「『お茶の出がらし』を水彩の色ずけにつかうんだ。」などとたのしそうに話すかとおもうと、バシェーニンにはけっこう現実的なところもあって、「サザビー(ロンドンのオークション)、すっごく安い値段をふっかけてくる。『ノミネートされるだけで意味があるじゃないですか』ってね。やだよそんなの。」

バシェーニンのファイル

■ 古代の呪文が入ったスープ

かんれんファイル

■ ロシア民話カエルの嫁
■ ナナイ族民話『メンゲルとその友達』

ART INVESTMENT AGENT JAPAN RUSSIA SOVIET ITALY