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ミンモ・ロテッラのデコラージュ

ミンモ・ロテッラはカラブリア地方出身。フィレンツェで彼の作品が展示されるのは今回がはじめて。きたる「ビエンナーレ」では、単独展示ホールがミンモ・ロテッラに割り当てられる。

インタビュー訳: ExibArt /Pietro Gagliano 26.04.2001.

Mimmo Rotellaフィレンツェでの展示は今回がはじめてということなのですが、古典芸術の都での展示についてどう感じていますか?

いま、ボクの作品「エルビス・プレスリー」が、ボッティチェッリの「ビーナスの誕生」の複製と並べて展示されているんです。「ボッティチェッリとロテッラ..。」ふたつのアートにつながりがあるなんて考えるのは僭越でしょうが、でもとても光栄です。

「デコラージュ」がロテッラ作品として特徴づけられていますが、どこからこのアイデアは生まれてきたの?

50年代はじめ、ちょうど奨学生として勉強していたアメリカのカンザス・シティー大学から帰ってきたころのことです。「いわゆる絵画、あるいは伝統的な絵画技法を用いて出来ることは、もうすでにすべてのことがやりつくされている。それどころか、ボクが将来的にやり遂げられるだろうことよりもはるかに見事にやってしまっている。」そんなことを、ローマに帰ってきておもいました。ローマの町をながめていて、宣伝用のポスターの色彩とか素材感にふとひかれたんです。さいしょはあそびのつもりでそんな宣伝用のポスターをひっぱがしてあつめていたのです。もちろん夜に。

なにかあたらしいことをやっているなと気付いたのはいつごろからですか?

ただ表現方法をさがし求めていただけ。いまだってそうです。だれかに認めてもらおうなどというつもりはなかった。ましてや「美術史」の一部になるなんて..。

「デコラージュ」が「偶像破壊」とおなじだという考え方がありますが、どうおもいますか?

ある意味ではそうです。ブッリやフォンターナ(えかきのき注: ともにイタリアを代表する現代アートの旗手。→ フォンタナ)のやったこととそう遠くはない。ほかのたくさんのアーティストたちとおなじように、「伝統」というものにたいして自分なりに答えてみたかった。ボクの初期の制作動機がそれです。伝統に立ち向かい、切り崩して自分の世界にかえてしまう。

Mimmo Rotella最初に評価されたのはいつでしたか?

エミリオ・ヴィッラがどうしてもボクの作品をよく見たいと言ってきたのです。正直に言うと、会ってもあんまり意味がないんじゃないかとおもっていた。それが、彼にとってはボクのやっていたことが斬新だったんだ。「アートのあたらしいジャンルを見ている気持ちだ。」「キュビズムの画家たちがやったコラージュよりさらにさきを行っているデコラージュ。」こうエミリオはいいました。(コラージュは貼りつけることで、デコラージュはそのはんたいにはがすこと。)

天才的なヒラメキ?

たしかに素晴しいヒラメキだったけれど、ラッキーだったとおもう。いくら好きなことを一生懸命やっていたからといって、運がなかったらここまでつきつめることはできなかった。

あなたのやっていることのアートの定義が評論家によってちがいますけれど、そのうちのどれがもっともふさわしいと考えていますか?

ボク自身は、定義づけとかブランドというのが好きじゃない。ピエール・レスタニーによって唱えられたパリの新リアリズム派には、1960年から組しています。

今となっては「デコラージュ」は目新しいものではなくなりましたが、御自身のアートをどう見ていますか?

アートの潮流うんぬんより、「デコラージュ」はボクの表現方法なのです。テクニックにしても素材にしてもつねにあたらしい発見があります。そして現実とともに変わっていく。映画も、モードも、アメリカ神話も、祈りの対象も、ステイタス・シンボルも日々変わっていく。きのう表現したのとはちがうきょうの現実をボクは表現していく。

ミンモ・ロテッラは若いひとたちに愛されているアーティストのひとりですが、それについてはどう?

べつに..。現実の社会やポスターを見て感じとり、若いひとたちとおなじような言葉で表現しているだけのことです。この新作をみてください。ボクたちが町を歩っていて出会う色彩がつかわれています。慣れ親しんだ色彩なんです。

(訳 2001.04.30.)

ExibArt のコメントより

Biz:とてもいいインタビュー。ミンモ・ロテッラは、最高の作品を産み出すなまけもののアーティスト。何年か前のインタビュー記事はひどかった。そのかわり、いまインタビューをじょうずにこなしているのとおなじくらいあのころの作品はよかった。たくさんのすばらしい作品を産み出しているロテッラには拍手。あまり「モノを捨てない」という気持ちにもなるしね。

かんれんサイト

ミンモ・ロテッラの作品イメージ
http://www.abramo.it/service/ARTE/MUS..

イタリアRAIのロテッラ記事
http://www.italica.rai.it/galleria/ritratti/rotella.htm

Il Centro d'Arte Spaziotempo(Piazza Peruzzi15/ r)
http://www.spaziotempo.com/
フィレンツェでロテッラ作品を展示した「Spaziotempo」のサイトはなくなっているようです。

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