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カラヴァッジョ作「聖パウロの改宗 NO.3」

カラヴァッジョの「聖パウロの改宗」(別名「倒れるパウロ」)は、同名の2作品がひろく傑作として知られているが、あらたに3番目の「聖パウロの改宗」が修復作業の際に見つかった。

評訳: ExibArt Restauronline 04.12.2001.

Caravaggio1600年秋、教皇クレメンス8世(1592-1605)の宝物管理を任されていた枢機卿ティベリオ・チェラージは、サンタ・マリア・デル・ポポロ教会内にある一族のための礼拝堂装飾を、当時ローマで著明だったふたりのアーティスト、ミケランジェロ・メリージ(通称カラヴァッジョ:1573-1610)とアンニーバレ・カラッチ(1560-1609)に依頼した。

カラヴァッジョは「聖パウロの改宗」と「聖ペテロの十字架刑」、カラッチは「受胎告知」を制作。糸杉の板に描かれたカラヴァッジョの作品は、教会側の指導者たちからクレームをつけられ、カラヴァッジョは描き直しをすることになる。

最初にカラヴァッジョが描いた「聖パウロの改宗」は、ローマ・オデスカルキ宮殿聖アポストリ教会にあり、描き直されたもうひとつの「聖パウロの改宗」は、サンタ・マリア・デル・ポポロ教会のチェラージ家礼拝堂にあって、このふたつの「聖パウロの改宗」が、カラヴァッジョの傑作として歴史的に知られてきた。

そして今回、放射線写真を適用した際に第3番目の「聖パウロの改宗」が、サンタ・マリア・デル・ポポロ教会にある2番目の「聖パウロの改宗」の下に見つかった。カラヴァッジョは、描き直した2番目の作品にもクレームをつけられた、ということになる。

Caravaggioカラヴァッジョ作品は、絵画作品としての当時の常識をはみだしていたうえ、あまりにも暴力的でなまなましかった。カラヴァッジョ以前に、こんな強烈な描き方をしたアーティストはいなかった。作品の中心には馬がでんとすえられ、2人の人物はそのわきにえがかれている。身動きがとれないようなシーンのなかにある「ムーブメント(うごき)」はみごとだ。

あらたに発見された3番目の「聖パウロの改宗」では、パウロはもうすこしふけてえがかれ、地面に倒れかかってはいるが、完全に地面に倒れてはいない。よろいを付けていて、視線はこちらに向けられている。とすると、年老いたパウロの表現が問題で、さらに描き直すことになったともかんがえられる。

(訳 2001.12.06.)

※ 「聖パウロの改宗」(別名「倒れるパウロ」)がえがかれたのは1600ー1601年のことで、カラヴァッジョはまだ30才にもなっていない。

※ 『カラヴァッジョ カラッチ マデルノ(シルヴァーナ出版)・・(イタ語)』が最近出版され、サンタ・マリア・デル・ポポロ教会全体の修復作業と、その過程で発見されたこの第3番目の「聖パウロの改宗」、マデルノによる設計、礼拝堂にえがかれたみせかけの大理石、祭壇、天井、カラッチ作品などについてふれている。
http://www.silvanaeditoriale.it/

かんれんサイト

RestaurOnLine:修復全般(イタ語)
http://www.europarestauro.it/

かんれんファイル

■ 建築家マデルノにふれているファイル(サン・ピエトロ寺院)


カラヴァッジョ作品(Web Gallery of Art)

http://www.wga.hu/frames-e.html?/html/c/carava..

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