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クリスト&ジャンヌ・クロードにインタビュー

インタビュー訳: Exibart Paola Nicita 2000.11.14.

クリストは背が高いせいかなんとなくうごきがぎこちない。そのわりに気がきいていて、とても共感がもてる。 ジャンヌ・クロードは、燃えるような真っ赤な髪の下から好奇心旺盛なまなざしをのぞかせている。

Christo Jeanne Claudeドイツ・ベルリンの議事堂、パリのポン・ヌフ橋などを布ですっぽり覆ってしまったアーティストを覚えてますか?建物やモニュメントをラッピング(包装)してしまうことで有名な夫妻が、いまパレルモ(シチリア島の中心地)を訪れています。

彼らの「エネルギーとポエジー」を表現するための場所さがし。 約450部分からなる作品ということで、おそらく・・アメリカと日本で実現された『傘』のような大規模なインスタレーションみたいです。

制作費用を自己負担するとなると、ふつうに考えたら作品の売却が不可欠ですが、彼らは、観客からお金を徴集しないのです。

クリスト、ジャンヌ・クロード、いったいどうやって作品の制作にかかる莫大な費用をまかなっているのですか?

ひとつひとつの企画に、とても時間がかかります。 ときとして10年・・。それは、場所のモンダイだけではありません。そこに住むひとたちと出会って、知り合いになり、彼等がどういうふうに考えているのかを知ることが、 わたしたちにとってはとても大切です。わたしたちの作品が暴力的なかたちでその土地に入っていくことはできません。理解され、受け入れられてほしいといつも願っています。

タンジュンではないのですね・・

ひとつひとつの仕事が、わたしたちにとっては人生の一部分のようなものです。作品を思いついたとき・・・どこにいたか、どんなことを言い合ったか、なにを考えていたか、、なにからなにまで憶えています。

わたしたちは、ひとつの仕事をふたつの段階に分けて考えています。

・・・というと?

まずは「ソフト」の部分です。アタマのなかでイマジネーションを練り、 スケッチをし、、そうしているあいだにも、その作品の実現に向けてたくさんの人達に手助けしてもらうようになること、それとおなじくらい実現をはばむ人達にも出食わすだろうこと・・・そんなことを考えます。

そしてつぎが「ハード」・・・プロジェクトの実現に向けてしなければならない具体的・現実的な仕事です。

Christo Jeanne Claudeそのなかで実現したプロジェクトは?

40年間仕事をしてきたなかで、18のプロジェクトが実現し・・・22のプロジェクトがお流れになりました。

そうした苦労にくらべると、 じっさいの制作はあっという間ですね、、

作品の展示はたかだか2週間ぐらいです。終わるとすぐに撤去しなければならない。へたをするとクレームまで来ますからね。まるでつかの間を生きるマストドン(古代の巨象)か風に吹かれる布っきれ!そういうのも、わたしたちの作品の一部分です。

いったいどういうところから「ラッピング(包装)」という発想が生まれてきたのですか?

現在わたしはアメリカ国籍ですが、生まれはブルガリアです。 ジャンヌ・クロードはモロッコ生まれ。定住してきちんとした生活をするのは自由をうばわれる最大の原因だと考えていますから、ボヘミアンを自称し、必要最低限の生活をしてきました。

作品もまたそういうわたしたちの人生を反映しています。わたしたちの作品は、買うことも売ることも、それでなにかをするとかもできないでしょ。

次のプロジェクトは?

ニューヨークのセントラル・パークに、黄色い生地でおおった1万1千個の「門」を設置します。秋の木々とおなじ色です。

夏のプロジェクトもあります。1992年から企画がはじまったコロラドでの展示です。15キロメートルにおよぶ布をアーカンサスの川のうえに広げます。「見える風景と見えない風景」みたいなあそび・・・

(訳 2000.11.17.)(2002.08.19. 見直し)

ExibArtのコメントから

Valentina 2000.11.16 Roma

クリストとジャンヌ・クロードはとても神秘的。 だだっぴろい土地に作品をつくりあげるのといい、それを実現させる手腕といい、まったく天才的だわ。延々と続く『フェンス』をやったときのことを覚えてる。『フェンス』が建てられる場所の農家や牧畜家のところへ行って、かれらの意見を聞いては、制作の意味を説明してたわ。それから、代償にと、プレセントをあげてた。冷蔵庫、電子レンジ・・!!

クリスト&ジャンヌ・クロードかんれんファイル

■ クリスト&ジャンヌ・クロード〜インタビュー(訳)
■ NYセントラル・パークの「The Gates」
■ クリスト&ジャンヌ・クロード作品例

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