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北欧写実を丸くおさめたクラナハ

Lucas Cranach, the elder 1472-1553

Musei Vaticani

クラナハの人体はなぜ病的にひょろっとしているのだろう、という疑問がずっとあった。

きっとクラナハはそのままを描いたにちがいない。

ただ、被写体がちがう。ドイツ人とイタリア人のちがいだ。

もうひとつは、北欧の伝統的写実描写は、イタリアのとはちょっと違う。


その証拠に、マルチン・ルターの肖像画をみて。ふっくらしてるでしょう?

ルターがそういうひとだったからで、クラナハはそれをみごとに再現している。


マルチン・ルター(1483-1546), 1529

クラナハは、そのキャリアの大半をザクセンの宮廷画家として過ごしたから、肖像画がお手のものなのはたしか。

むしろそれ以外のテーマに、北欧写実主義の伝統がより濃くでていておもしろい。

なかには、ヒエロニムス・ボスなみの絵もあるよ。

ぎゃくに言うと、ルターの肖像画は、伝統と個性が溶け合った、クラナハの傑作のひとつかもしれない。

(2004.12.09. 「ウィーン美術史美術館展」より分割)

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■ マルチン・ルターと教皇の確執について

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