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ロシア映画「夢(スヌィ)」

現代ロシアの女性が夢のなかでタイムスリップして帝政ロシア時代の公爵夫人になり、その公爵夫人がまた、夢のなかでタイムスリップしてソ連崩壊後のロシアで働いているという、、すっごいおもしろいロシア映画があった。(TVで見たのでそんなにメジャーな映画じゃないとおもう。)

公爵夫人がへんな夢をみるのでさいしょは病気じゃないかと医者にみてもらったり、タイムスリップした現代ロシアの職場でセクハラを受けたり、、ロシア革命が起こる前の「いったいロシアはこれからどうなるのか」という時代だから、夢から醒める彼女に夫君がマジで質問をしはじめたり・・・

Photo courtesy of Fulvio Colangelo

「それでその時代、いったいロシアはどうなってるんだ?」

「CIS・・・とかみんなは言ってるわ。」

「・・・ってことは、フランスとおなじようにロシアにも革命が起ったってことか?!」

「ううん、ちがうの・・・革命はもうとっくに終わってるの。」

「・・・!じゃなんなんだ、それは?!そのCISってのは??」

「みんなもよく分からないって言ってるわ・・・」

ぎゃははははは、、、

夢から醒めた妻が「ロシアでなくてCISになっている」と言うから、夫君はてっきり革命で帝政ロシアはつぶされたとおもったわけ。ところが「革命はもうとっくに終わっててそのあとのこと」だっていうから、夫君、なおさらワケがわからない。で、「なんなんだそのCISってのは?」って聞くと、妻が・・・「みんなもそれがなんなんだかよくわからないって言ってるわ。」

コレむちゃおもしろいよ。CIS(=シス)ってのは、ソ連崩壊後の近隣諸国を含めたロシア国家連合みたいなもん。国家連合といったってスケールはソ連邦とはくらべもんにならないぐらいちっちゃい。それにじっさいCISってなんじゃらほいってかんじ。たぶんいろんな政治的思惑が入り混じった、過渡的な、妥協と主張の産物なんだろうけど。

映画の筋書きがもし単純に、、「ロシアに革命が起こり、その革命政府、つまりソ連が崩壊したあとの現代ロシアで働いている夢を公爵夫人が見る」だったら、、、でもそもそも彼女は現代ロシアの女性なんだってことで風刺が最大限生きているような気がする。なによりおもっ苦しい現実を感じさせかねない映画がとてもコミカルに仕上がっている。

でもさ〜〜〜、現代ロシアと帝政ロシアって、、その荒れ方といい静まり方といい、すっごく似てるとおもわない?ドストエフスキーがまたぞろ読まれてるのも、状況が似てて有益だから、だったりして。国旗もパスポートも通りの名前も帝政時代のものにすり替わった。もしかすると、、社会主義ソ連という論理的な世界から解放されたロシア人は、いまやっと本来の生理的日常に戻ろうとしているのかもしれない。

(2002.05.13.)(2003.03.17. 点検)(2003.04.08. 点検)(2004.07.31. 点検)(2005.06.02. 見回り)

かんれんファイル

■ ひとことでロシアを表現したゴーゴリ

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