EKAKINOKI

映画になったデュラス作品をめぐって

BBSより


TOMさん  2003.04.14.

先日、デュラスの最後の愛人が書いた本をもとにした映画『デュラスー愛の最終章』が上映されたので多忙の中、見てきましたが、がっかりでした。たぶんアンドレアの原作が凡庸だったんだと思います。曖昧さを嫌うデュラス本人は許さないだろうと思いました。

映画『ラマン』は有名ですが、原作者デュラス本人は嫌っていますね。その他、『モデラートカンタービレ』(映画タイトル「雨のしのび逢い」)とか『24時間の情事』(ヒロシマ私の恋人)とか、人の撮ったのは全部ダメだったみたい。『ラマン(愛人)』はゴダールも撮らせてと頼んで断られたらしい(私もゴダールでは見たくないなぁ)

で、自分で撮った『インディアソング』なんかはとても観念的、抽象的、耽美的な撮り方になってますが、私はとても好きでした。

えかきのき 2003.04.14.

デュラスはやだったんだ、『ラマン』・・知らなかった。でもあそこいらへんが、デュラスを映画化するときの妥協点、ってかんじがしないでもないけど・・

TOMさん  2003.04.14.

私は『ラマン』は映画も別個に好きです。『破壊しに、と彼女は言う』なんかどうやって?と思います。ああ、このタイトルって世界一(笑)。あの主演少女もデュラスの若いころによく似ていてとても良かったです。

ヤナイさん  2003.04.15.

デュラスの映画は、見ている間に「稲が育つ」と言われたくらい、一般商業映画の基準で行くと、退屈しますからねえ。小生はけっこう見てますが。

小説では「アガタ」、好きです。恋愛の不可能性と可能性をいっしんに集めたような、奇蹟のテキストだと思います。

※ 『死の病い・アガタ』朝日出版社/1984年

えかきのき

『アガタ(小説)』は、デュラスのスタイルがとてもはっきりとでている作品ですね。でも『tutoiement(かしこまっていない呼び方)』でしょう?あえて『あなた』と訳したのでしょうけれど、なにか、しっくりこないものがあったなぁ。お芝居を、みてみたいですね。

TOMさん  2003.09.04.

『アガタ』は映画を見そびれて(今だに悔やむ)しまったけれど、講演会でパンフを事前入手していました。それには「ヤン・アンドレアに会わなかったら『アガタ』は書いていなかったかもしれない」とデュラスの言葉。ヤンってイイ男なのかなぁ???

デュラス役のジャンヌ・モローは大好きです。トリュフォーの『黒衣の花嫁』の絶望的な(笑)復讐に生きる女性も良かったけれど、私が一番好きな作品はブニュエルの『小間使いの日記』です〜。笑顔の似合わないアンニュイな人ですね。

デュラス作品『モデラートカンタービレ』の映画化『雨のしのび逢い』(邦題最悪)での絶望感あふれる空虚な目をした有閑夫人の役は合ってます。でも、あの胸が引き裂かれるような『モデラートカンタービレ』が邦題同様にメロドラマ化されてしまったようで、ディラスはお気に召さなかったらしいです。確かに・・・。相手役がジェン・ポール・ベルモント・・・かっこよすぎ。もっとプロレタリアしてなきゃ意味なし。

ヤナイさん  2003.09.06.

「雨のしのび逢い」・・そんな映画があったんですか。「モデラートカンタービレ」なら見たような記憶があるけれど。。。

TOMさん  2003.09.06.

同じ映画でしょうね。『モデラートカンタービレ』が原作で映画が邦題『雨のしのび逢い』です。

デュラス原作『ヒロシマモナムール』の映画の邦題なんか『二十四時間の情事』です(笑)メロドラマにしないと見てくれないってことかな。でも、そうだと思って見た方は情事シーンと交互に挿入された現実の被爆シーンに衝撃受けてしまうだろうなぁ。「ヒロシマ」というカタカナ表記の隠喩がなければ内容がわからないはずだもの。映画は良かったです。

デュラスの『ヒロシマ モナムール(FOLIO社刊)』

えかきのき  2003.09.06.

パリにはよくいるよね、ヤンみたいなタイプ。でもヤンがどんな男だったかっていうより、女として、大人として、作家として、デュラスがなにかをヤンに見ていたっていう、そっちのほう、だよね。ヤンは『one of them』ってのは・・キョクタン?

TOMさん  2003.09.06.

あ、うん。深いなぁ、えかきのきさま。考えちゃった、反省しちゃった。

デュラスは器があって受け止められるし。孤独から抜け出したのだし。晩年にあのような愛の生活を送った彼女はすばらしいですね。たぶん『愛人』の少女のころの自分が年上の愛人に感じさせたことを、今度は年老いた自分も感じて。

『エクリール』に出演した晩年のデュラスはすごくかわいくて魅力的だったから、そういう恋だったのでしょうね。と、いうか、いつも深いんですよね。

私の大好きなデュラスの文章、私小説『苦悩』の中で強制収容所にいるユダヤ人の夫を思う記述・・・「その1本1本が私の命以上にいとおしい彼の手。私のなれしたしんだ手」というのを思い出してしまいました。

(2003.09.07)

 → amazon のマルグリット・デュラスの本とかDVD


かんれんファイル

■ デュラスのベーコン・インタビュー

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