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のどかな1700年代ヴェネチア

カナレットの澄み切ったヴェネチア風景、フランチェスコ・グアルディの現代的な作品・・・これらと、ジャンバティスタ・ティエポロはおなじ時代のアート?!

作品から受ける印象は、カナレットやグアルディは、あきらかに、ジャンバティスタ・ティエポロのあとの世代、なのだ。

Canaletto Guardi Guardi

カナレット, Castello Sforzesco // フランチェスコ・グアルディ 1760-1770年?, Museo Poldi Pezzoli, Milano // ジャンバティスタ・ティエポロ, 1746-47, Palazzo Labia, Venezia

ところがこの3人、ほとんどおなじ時期に活動している。ことにカナレットとジャンバティスタ・ティエポロは歳もほとんどおなじだ。グアルディは15才ぐらい彼らより若いが、グアルディの姉がジャンバティスタ・ティエポロに嫁いでいる。

ジャンバティスタ・ティエポロとカナレットやグアルディはひとつの例にすぎないが、1700年代という時代には、なんとなく分からないところがある。

おもっているほどに古くはないし、かといってそう新しくもない、ってなとこか・・・

たしかに、おなじ時代には生きていても、時代の受け止め方はひとそれぞれ違う。ましてや、1700年代のように、その前のグレートな世紀と、そのあとに来る近代産業の世紀のはざまでは、ちがってあたりまえかもしれない。

それがまた、作品のちがいとなっているのだろう。


そのころヴェネツィアには、カルロ・ゴルドーニ(喜劇作家 1707-93)、ヴィヴァルディ(1678-1741)などがいて、アーティストや文士たちはカフェにつどい、色男カサノヴァ(1728-98)もヴェネチアをウロチョロしていた。ロココから新古典主義へ。

ヨーロッパには、おおものたちがゴロゴロしている・・・モンテスキュー(1689-1755)、ヴォルテール(1694-1778)、ディドロ(1713-84)、ルソー(1712-78)、カント(1724-1804)、ゴヤ(1746-1828)、ゲーテ(1749-1832)、ベートーベン(1770-1827)・・・

啓蒙主義、自由、公正・・・そしてアメリカが独立し(1776)、フランス革命(1789)が起こった。

世界が共鳴をしはじめ、もはやヴェネツィアでもなければイタリアでもない時代が来ようとしている。いっぽうでは、中世的牧歌的な風景が広がり、もういっぽうでは、テクノロジー時代が音をたててやってくる。

ティエポロ作フレスコ画, Villa Valmarana

知の巨人たちは、頭のなかで、新時代と旧世界のバランスをとるのに懸命だったにちがいない。


いっぽうで、ナポリ・ヴェスヴィオのポンペイ遺跡が1770年に発見されると古代熱に火がつき、ヨーロッパの紳士淑女たちの「イタリア・ツアー」が大ブームとなる。「古代遺跡とルネサンス美術とエキゾチックな南イタリア!」

1797年、ナポレオンがヴェネツィアに侵攻すると、千年の栄華を誇ったヴェネツィア共和国がついに消え去った。


以下は、18世紀ヴェネチアを代表するアーティストたち・・・

ジョヴァン・バッティスタ・ピアツェッタ (Giovan Battista Piazetta 1682-1754) ヴェネツィア美術アカデミー創設者のひとり。アカデミー院長。

ジャンバティスタ・ティエポロ (Giambattista Tiepolo 1696-1770) 18世紀を代表するオールマイティー・・・ 1700年代を象徴するティエポロ親子

カナレット (Canaletto 1697-1768) イギリスに長く逗留。・・・  絵画に見るヴェネツィアの水位 // カステッロ・スフォルツェスコのカナレット作品

ピエトロ・ロンギ (Pietro Longhi 1702-85)風俗を子細にわたりユーモラスに描写。・・・

Pietro Longhi

「歯医者」部分 ピエトロ・ロンギ Pincoteca di Brera(ミラノ)

フランチェスコ・グアルディ (Francesco Guardi 1712-93)貴族的な繊細さで(!)、日常風景、庶民を描く。

ベロット (Bellotto 1721-80)カナレットの甥。作品は時代考証にもよく使われる。・・・ 18世紀ヴェネツィア風景画家ベロット展

ジャンドメニコ・テイエポロ (Giandomenico Tiepolo 1727-1804)ジャンバティスタ・ティエポロの息子・・・ ティエポロのフレスコで飾られたこびとの別荘

tiepolo

「夏の日の散歩」ジャンドメニコ・ティエポロ 1757年 フレスコ Villa Valmarana ai Nani, foresteria(ヴィチェンツァ)

(2001.10.11)(2003.01.29. 点検)(2004.02.28. 見直し)(2006.12.18. 見直し)

さんこうBOOK

藤沢道郎著「物語 イタリアの歴史/第九話 司書カサノーヴァの物語(中公新書ワイド版)」・・・18世紀ヴェネチアの雰囲気がつたわってきます。

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