EKAKINOKI

画家の狂気の健全性

画家の狂気にもいろいろある。ただし「仕事ができる」という前提でね。

#1: 住んでいる世界がちがうので他人には異常にみえる。本人はバランスがあるが、社会的に孤独なため、いつかバランスを失う可能性がおおきい。
#2: たんなる性格破綻。問題児なだけ。
#3: たんなる天才
#4: 思い詰める性格。ある時点で一線を越え自殺とか。
#5: 自己史的原因などから精神不安定的。あまりいい結末にはならない。
#6: ほとんど精神異常

画家でなくても、こんなもんだろう。

理由はなんであれ、他人とのコミュニケーションがなくなると、寄りかかるものがなくなり、ヒトは精神的に崩壊してしまう。

人間って、ひとりで生きていける動物じゃないんですよね。

これは、画家でなくてもおなじ。

画家の場合、扱っているテーマ(=アート)が、一般人にはわからないからよけい孤独になりやすい。


多いのは、1番目だよね。ウィリアム・ブレイク?

2番目は、よくあることで、おはなしにならない。

3番目は、マンテーニャとか?

4番目はゴッホとかモディリアーニとか?

ところで、6番目のひとって、いるんだろうか??よく映画にあるような、ほんとの精神異常みたいな画家、みたことない。っていうか、それじゃ、仕事できないだろ。


リチャード・ダッド?

Richard Dadd, 1817-1886

"The Fairy Feller's Master Stroke (部分)" Tate, London

ダッドの絵はおもしろい。絵からは、ヤなものとか、へんなものは感じない。正常者の絵だとおもう。

ということは、ダッドは、ほんとの精神異常だったのかもしれない。

それにしても、じゃあなにが精神異常で、なにが健全なの?って疑問は残る。

結局、みなとあまりに違いすぎると、ほかのひとが理解できないようだと、あるいはそのために具体的に法を犯すようなことになると、精神異常とされるのかなぁ。。。


ウィリアム・ブレイクの作品です↓

William Blake, 1757-1827

なにかいまの時代の絵みたいですね。1800年代初頭でこれですから、ブレイクは、すぐには評価されませんでした。でも、このぐらい、ふつうだとおもいません?

ブレイクというひとは、ほんとはマジメなひとだったみたいです。ボクもそうおもいます。


マンテーニャの『死せるキリスト(1497年)』です↓

Andrea Mantegna, 1431-1506

この作品も、ぶっとんでますね〜。こんなイエス描くか?!しかもこの角度から?ここまでしつこく幾何学的に?

ぶっとんでる。天才。それだけのこと。このひと、頼まれれば、パルナッソスみたいな作品も描けるのですよ。

あのビアズリー(アールヌヴォー)が、マンテーニャにぞっこんでした。ビアズリーが25才で死んだとき、投宿先のフランス・メントン(モナコのそば)のホテルの壁に、マンテーニャの版画のコピーが貼り付けられていたそうです。

Aubrey Vincent Beardsley, 1872-98


つまり、みんな画家としては正常じゃ〜ん、ということになります。でしょ?異常をきたしたら、仕事できないですし、ゴッホみたいに、自殺しちゃいますよね。ゴッホも、天才、だったとおもいます。

(2001.07.04)(2002.08.19. 書き改め)(2003.02.06. 点検)

かんれんファイル

■ マンテーニャの「死せるキリスト」(訳)

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