EKAKINOKI

キーファーのイカルス

Anselm Kiefer 1945-

Kieferんっ、、?やけくそ?!そこらにあったもんを手当たり次第ぶっちゃけたってカンジ、、ところどころキャンバスは盛りあがっちゃってるしさ、、、色は超くすんでる。じっさい、つかってある材料・・・油彩、アクリル、乳剤、ニス、写真、砂、、!やっぱアトリエにあったもん、ぜんぶつかったな。。しっかしこんなにきたない「絵」というのも、久しく見てなかったなー。

イカルスはギリシャ神話・・・・・羽をつけてもらって嬉しくて嬉しくて、あんまり高くに飛ぶなっておやじに言われてたのに、案の定(!)、舞い上がりすぎて太陽に羽を焼かれてしまう。それで墜落しちゃうわけだから、、なんか不死鳥伝説とも重なっちゃって、頭んなかがこんがらがっちゃう。不死鳥(フェニックス)は・・・・・灰になってもまた鳥になって舞いあがるっていうはなしで、もともとはエジプト起源のはなしとか。

ところでキーファーの「イカルス」だけど・・・太陽に焼かれた黒い羽らしきもの以外、、その背後に描かれているのは・・・とんでもない天変地異が起こったか小惑星でもぶつかったか、すさまじい衝突音、炸裂音とともに大地はきしみ亀裂がはいり、ところどころで火まで噴いている。しかしその光景は同時に戦場のようでもあり、あたかもそれが人為的なものである、とでも言いたげ。

しかもこのキーファーの作品からは、舞いあがりすぎたがために太陽に羽を焼かれた墜落伝説以上の、「復活」の鼓動のようなものがドドド〜ドドド〜と腹の底から伝わってくる。「地上の生物はすべて死に絶え、それでもワレ蘇るー。」みたいな、ともかくものすごく肯定的なのだ〜。だからキーファーのこの作品は、勝手な解釈かもしれないけれど、「イカルス」というよりはむしろ「不死鳥伝説」といったほうがピッタリするような気がする。

最初にヤケクソ、なんて言ったけど、じつは、、そんなとてつもない力をキャンバスに再現するために、キーファーの「イカルス」はみごとに計算されている。すっごい作品だよ〜。東京都現代美術館さん、よくぞこんなきたない絵を買ってくれました、、っておもう。でかい、これ、、一辺3、4メートルはある。邦題は「イカルス・辺境の砂(1981年)」。

キーファーの「イカルス」のそばには、タマサカか故意にかはしらないけど、、マンダラっぽい蔡国強(CAI GuoQiang)の作品があった。蔡国強って言えばいまをときめく現代アーティストのひとり。キーファーの「イカルス」も蔡国強の「胎動」も、、どっちもアーティスト魂の根源を絵にしたような作品だとおもう。でもキーファーのこの作品のすさまじさの前には、蔡国強もかすんじゃう。

もうひとつそばにあった横尾忠則の作品のほうが(へんちくりんな昔の人物写真が富士山みたいな山にうじゃうじゃとコラージュされてるまるで中心がない絵)、ひとりにんまり笑ってるってカンジで、ぜんぜん世界がちがっていて、そのぶんキーファーの作品に抗しえていたかもしんない。。

(2004.10.10.)

※ ファイル中の画像は、現代美術館においてあったはがき大のチラシで白黒印刷。おなじものを2枚重ねて写真を撮った。

※ 現代美術館のチラシから → 蔡国強の「胎動」

キーファーかんれんファイル

■ キーファーの作品リンク
■ キーファーのイカルス

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