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中国骨董家具ざんまい

雅瑞氏(北京在住)へのメール・インタビュー

おもっていたよりもずっとシンプルですね。スッキリしていて、現代的なインテリアにもピッタリおさまる。

ここにあるのは、おもに明代(1368-1644)の家具を模して作られた清代(1616-1912)の家具です。明代の家具は、デザインに無駄がなく洗練されています。全体のシルエットがとても美しい。金具はいっさい使われていません。これが清代のものになると、金具も含めて豪華に細工をしたものが多くなります。

chinese antique

中国家具は、色が独特だとおもっていたのですが..。

紅色、黒、樫の木色、茶色、こげ茶色...。中国独特の紅色は「紅漆」と言います。また、「故宮」のようなところの家具の紅色は、特別な塗り方をします。まず、木で作ったテーブルの上に麻を敷きます。その上に、石を粉にしたものと豚の血を混ぜて作った塗料を塗って固めます。そうすることによって、300年、400年と、木がもつのだといいます。

また、基本的に硬い木が高価とされています。安いやわらかい木を「紅木」のような色で塗り、高級な硬い木にみせかけるということもままあります。意外かもしれませんが、中国でも「木目」を愉しみます。「鶏翼木」という木は、木肌が鶏の羽模様に似ているのが特色で、濃い色にはけっして塗りません。

中国北部には木が少ないという印象をもっているのですが..。

北京に出回っている家具の多くは山西省のものです。江蘇省、折江省のものも見かけます。木にはいろいろな種類があります。「紫壇木(したん)」、「紅木」、「楡(にれ)」、「胡桃(くるみ)」、「黄花梨(なし)」。紅木というのは、木肌自体が赤っぽい。さきほどお話した「鶏翼木」の日本名は、残念ながらわかりません。

全く同じ形、同じ色の家具でも、木によって、また木の質によって値段がまったく違ってきます。家具に用いる木としては「梨、紫壇木、紅木、鶏翼木、胡桃、楡」の順に高価でしょうか..。

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中国でもやはり「木の質」が意味をもっているのですね。実用性・耐久性という点ではどうでしょう?

テーブル、椅子は毎日使用しています。このほかにもTV台、サイドボード、CD棚、本棚、蓄音機。もっとも気に入っている一対の椅子だけは、もっぱら鑑賞用にしています。(中国では、伝統的に椅子2脚を一対として売る。)

そのつど手直しして何十年、何百年と使用してきたものですから、毎日酷使する椅子などは壊れたりすることがあります。北京では、買った店が半永久的に無料で直してくれますが、まわりに修理できる腕をもった人、あるいは店があるかないかというのは、比較的大切なポイントですね。

こうした骨董家具は、庶民のものだったのですか?それとも貴族などの持ち物だったのでしょうか?購入される家具の由来というのは、どこまで御存知なのでしょう?

両方です。庶民が使っていたものは多少つくりが荒いですが、あたたか味があって実用的です。(比較的安価)金持ちが使っていたものは、技術も高く精巧で、数も少ないため観賞向きです。(比較的高価)どんな人が使っていたのかについては非常に興味を惹かれるところですが、それを知るのはほとんどムリです。銘というのもほとんど入っていない。時代は、家具の形、木質からだいたい推定できます。

骨董の世界というと「まがいもの」がつきものですが、中国ではどうなんでしょう?

陶器などはまがいものだらけです。家具の場合、「木の種類」をだまされることがあります。本当に「紅木」なのかどうかは値段にも大きく反映してくるので、専門家に見てもらうのがいちばんです。古い木を使って新しい家具を作ることはよくありますが、これは基本的に嗜好の問題です。(壊した古い民家の部材をつかってあらたに家を建てるのとおなじ理屈。)

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中国人はどういう目で年代ものの家具を見ているのでしょう?

習字の先生が私のところに出入りしていますが、そういった芸術家たちは楽しそうに見ています。一般の中国人はあまり興味がないようです。それにくらべると、中国の骨董家具から深い印象を受ける日本人は多いです。とりわけ値段の安さに驚くようです。

北京では、土曜日、日曜日になると「蚤の市」がたちます。これは、北京では一番大きな骨董市です。アメリカ人、中国人、日本人など、いろいろなひとたちが見にきています。これ以外にも、ある程度以上の規模をもつ常設骨董市が市内に5箇所ほどあって、ここではフランス人が目に付く。どうもフランス人は、中国の骨董品となるとどこにでも顔を出しているようです。

ひとつだけ付け加えておくと、200年以上前のもの、石、鉄、チベットのものは国外持ち出し禁止です。実際には、「方法はいくらでもある」とかいう話もチラホラ聞きます。

中国の骨董について目をこやすのに、どんなところがありますか?

北京では、「故宮」、「中国紫壇博物館」、「観復古典芸術博物館」。上海では、たとえば「上海博物館」。ここには「骨董家具専門」の階があり、明朝と清朝に分けて展示されています。

ファイル中の写真・・・(上)長椅子は「鶏翼木」を使って明代調に作られた新しいもの。正面の食器棚は天津で作られた80年くらい前のもの。
(中)椅子は200年ぐらい前の清代のもの。明代のデザインでつくられている。「紅木」
(下)左手にある棚は、150年くらい前の清代のもの。現在本を収納している。窓ぎわのテーブルは180年くらい前で、やはり清代。

かんれんファイル

■ ミャオ族刺繍学校を創設

(2001.10.09.)

BBSより

旅行大好きさん

素敵ですね、うらやましいです.パリやロンドンでホシイナアと思う家具にであっても、日本の湿度を考えるとあきらめざるをえません.最もその前に運送代というすごーく現実的な問題があるのですが・・・

雅瑞さん

輸送費は確かに高いですね。

例えば椅子2脚を日本へ送る場合、北京から大阪、名古屋、横浜等の港まで約1300元(約2万円)ほどです。 業者によってもちがいますが、1立方メートル約1300元(約2万円)で計算されます。但し、これには日本側での費用は含まれておりませんので港での通関、ご自宅までの輸送を業者に頼むと、もっと高くなってしまいますね。

もっともご自分で港へ取りに行かれれば安く済みますね。

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