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ビアンコのインスタレーション観

「インスタレーション」をカンタンに言うと・・?

ある「コンセプト」なり「メッセージ」を美術的な表現を使って伝えること。たとえば「パン」。「パン」といったってテーブルの上にのっているものだけが「パン」じゃない。そこで、皆が食べ残したパンのカケラを集めたの。どれが自分の食べのこしたものか分かったひとのカケラにはそのひとの名前を入れて、それを全部組み合わせてプレゼンテーションした。自分のカケラを言い当てたひとには、さいごにそのカケラを持っていってもらったの。このながれ全体で「パン」を表現した。

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「メッセージ」を伝えるのが「インスタレーション」だとしたら、なにからなにまで「インスタレーション」ということにはならない?

私はアーティストだから、あくまで美術的な表現を使って伝えることが「インスタレーション」だと考えている。「インスタレーション」が美術のなかからでてきたコンセプトならば、あくまで美術的な表現を使って「メッセージ」を伝えるとかんがえるのが自然。そしてその「メッセージ」は、明瞭に理解できるのがこのましい。

故郷のプーリア地方に招待された昨年の「エリーザ・ビアンコ展」のインスタレーションなどは見てすぐに分かるとはおもわないけど..。

あれは、「エリーザ・ビアンコ」というアーティストの歴史をテーマにという要請があって制作したもの。1700年代の宮殿のいくつかの部屋をつかって「エリーザ・ビアンコ」のアーティストとしての人生を「インスタレーション」をとおして表現してみた。

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たとえばこの作品の素材は骨董市で見つけたもの。今ではもうめったにお目にかかれないけど、飼い葉が飛ばないように「覆い」として農村で以前使われていた特殊な布で、それにクルマの塗料用ペイントと蛍光塗料でえがいた。あみ状の模様は「おんな」である私が毎日のように見続けている台所の洗い台のあみ。部屋は暗く設定した。たしかにこの作品の場合などはすぐには分からないとおもう。そういうときはカンタンな説明をつけるようにしている。

ずいぶん以前から窓や門をテーマにしているけど、上のレモンは売ったんだよね..。

レモンは南イタリアの象徴。つぎのは、こわれた窓に村人が石やブリキで覆いをしているのを見たときピンときた。商標がついた昔の木箱の破片などを私が集めてきてつけたしたもので、この「インスタレーション」では窓が歴史を物語っている。

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「インスタレーション」でいちばんのポイントは、制作する側にとってもコンセプトを明確にするということになるね..。いま制作している「インスタレーション」は..?

ひとつは、私の住んでいる地区のありとあらゆるオフィスの印鑑を押してもらって集めているの。それをまとめて作品にする。地域のアイデンティティーみたいないっぷう変わった地図ができるわ。作品ができたら、印鑑を押してもらったところによろこんで飾ってもらう。もうひとつはワインのコルク集め。それと内臓を写したレントゲン写真も機会があるごとに集めている。これはまだコンセプトがまとまっていないのだけれど、アルコール中毒と関係してる。イタリアでのアル中患者率がものすごく高いの知ってるでしょ..?私は自分が理解していないことは制作しないから、いま一生懸命「アルコールを理解するために」飲んでるわ。

(2001.06.12. インタヴュー:2001.05.13.)

ビアンコかんれんファイル

■ ビアンコのインスタレーション観
■ ビアンコの原初風景展
■ プーリア地方のトゥルッリ

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