EKAKINOKI

あるアーティストのメルマガ

左の写真が、今日7月15日フルヴィオ・コランジェロから送られてきたメールに添付されていた画像。いつもメールは、イタリア語と英語で書かれているが、今日のメールにはそのほかにフランス語とドイツ語、なんとロシア語まで書きそえられていた。このうちのどれかが分かれば読めるというワケ..!

で内容はというと、「一年に一度やるピーナ・ノヴェッロのパーティーが " バスティーユ占拠(7月14日のパリ祭) " っていうの。これからボクも行くんだけど、" あんたのバスティーユ" を占拠することを願ってマス!」みたいな、これだけ。メールはぜんぶで119キロだから、メルマガのリスト二回分ぐらい。フツウ。

フルヴィオ・コランジェロとは、イタリアのある展示会で出会った。いわゆる前衛アーティストのひとり。おだやかな物腰しが、なぜか日本人をおもわせる。来年日本での展示会が予定されている。「ニューズ・メール送ってもいい?」と言うから、「いいよ。」と言った。それからなんべんかフルヴィオからメールを受け取っている。メールの文面はいつも2〜3行。なんだか分からないニューズ・メールだ。とくに気に止めるわけでもなく、それでも画像だけは開いていた。

メールは一週間にいっぺんぐらいのペースで送られてくる。画像がまたワケが分からない。展示会場かなにかの風景?(それも入り口とか、ひとの顔..。)コンピューター覗き込んでるハンサム君に脚長ネエチャン。(なにかの宣伝画像?)だれかの作品みたいなのもある。「コルノ」のジェスチャー(ひとを侮蔑するときにつかう)はなんのため?赤いピーマンのデザイン..?こちらから、とくに聞きもしないけど..。

唯一文章が5〜6行ってことがあった。高校のときの友だちの葬式に行ったという。教会に向かっていっしょうけんめい自転車のペダルをこぎながら、じぶんの死に際してなにをのぞんでいるか分かったと書いてあった。そしてそのつぎのメールには、その悟りに寄せられたいくつかの感想が、こんどは7〜8行にわたって連なっていた。唯一文章らしきものがあったメール。

「オレの葬式にはみんなでパーティーやってほしい。歌がうたいたいヤツ、なにか弾きたいヤツ、踊りたいヤツ、こどもの相手をしていたいヤツ、議論をふっかけたいヤツ、たえず微笑んでいたいヤツ、みんなしたいようにしたらいい。オレの灰は、どこでもいいから草っ原にまいてもらう。とくべつきれいな花のそばなんかにまかないでくれ..。イーストみたいに、生命のモトになるのさ。」

フルヴィオの作品とおぼわしき画像が送られてきたおぼえはない。(そんなことも、あるのかもしれない。)本人の作品とはなんの関係もないしろものばかりだ。「あそこ行った。」「こんなことあった。」このアーティストの「印象メモ」みたいなもの。そして、それと関係があるらしいちいさな画像が添付されてくる。メールには2〜3行の添え書き。

基本的に画像のメールだ。サラッとしている。なにかを言いたい伝えたいというのではない。なんだかよく分からないニューズ・メールなのだが、なんべんか受け取っているうちに、このアーティストの感性みたいなものは伝わってくる。「こんなのもいいなぁ..。」とすこし感じはじめながら、ワケの分からない画像をまた開く。

フルヴィオ・コランジェロのサイト
http://www.colangelo.to/

(2001.07.15.)

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