EKAKINOKI

ロシア民話「カエルの嫁」

あるとき王様は、三人の息子に嫁をめとらせようとしてこう言った。「矢を射なさい。それが落ちた所に将来の妻がいる。」三人の息子は言われたとおりに矢を射る。ひとりの息子の矢は、ある将軍のやかたに落ち、もうひとりの息子の矢は豪商のやかたに落ちた。三人目の息子が射た矢は、なんと沼地に落ちた。

息子たちはそれぞれに、将軍の娘と豪商の娘、そしてカエルを嫁の候補に迎えることになる。それから王様の嫁の審査がはじまった。「パンを焼きなさい。」「上衣をつくりなさい。」といろいろな注文を出す。そのたびに、カエルの嫁はこの世にあるまじきすばらしいパンや上衣を作ってみせた。ただ、夜は見てくれるなという。(どこかの国の民話とおなじ・・)

王様は大満足で、これらの品を前に大舞踏会を催すことにする。三人目の息子イワンはカエルの妻と舞踏会に出席することになった。カエルの妻のためにマッチ箱のようなちいさな馬車などが用意された。ほかの嫁たちに嘲笑されるなか、カエルの妻がイワンに言う。「心配なさらないでください。舞踏会にはあとから参ります。」そして舞踏会にあらわれたのは、絶世の美女!踊りはばつぐんにうまい。ワインをそで口に注ぐと「葡萄酒の湖」があらわれた。

妻が2度とカエルに戻らないことを願ったイワンは、こっそり家に帰るとカエルの殻を焼き捨ててしまった。ほんとうは、これはしてはいけなかった。「もうすこし待って。」という妻との約束があったからだ。カエルの妻は鳥に姿をかえると、イワンに「3・9王国に私を探しにきてください。」と言って消えてしまった。

「3・9王国」というのは魔法使いに支配された王国で、カエルの妻も、ほんとうはこの魔法使いのためにカエルに姿をかえられていた。魔法を解くためのイワンの冒険がはじまる。旅の途中でイワンは熊、カモ、ウサギ、カワカマスに出会う。腹ぺこだったイワンは、ほんとうは食べてしまいたかったが、「いつかお役に立ちますので助けてください。」という動物たちの言うことを聞いて逃してやった。

さて、「3・9王国」のとある沼地の大木のうえに「木箱」がくさりで吊るされている。そのなかには「うさぎ」がいて、「うさぎ」のお腹のなかには「カモ」がいる。「カモ」のお腹のなかに「卵」が入っていて、その「卵」のなかにさらに「針」が入っている。この「針」を見い出すと、魔法使いが死んで魔法が解けるのだ。イワンがこの沼地に行き着くと、木はあまりに大きくイワンの手にはおえなかった。

まず助けた熊がやってきて、木を揺すぶってくれた。「木箱」が木から落ちてこわれるとなかからウサギが跳び出す。逃げ回るウサギを、こんどは助けたウサギが捕まえてくれた。そこからカモが飛び立つと、助けたカモが追い掛けてくれる。カモのなかから卵が湖のなかに落ちる。こんどはカワカマスの出番だ。そしてとうとうイワンは「針」を見い出し、魔法が解けてすべてがめでたく終わる。

(2002.01.23.)

※ ファイル中の作品:T・ズヴァナリエフ作。作品のなかに「3・9王国」の数字が描き込まれている。

かんれんファイル

■ ロシア民話に主題をとった作品(バシェーニン:鉛筆)
■ ナナイ族民話『メンゲルとその友達』

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